旅のテーマとして、今回は日本遺産を上げたいと思います。
史跡めぐりをしていると、下記のような「日本遺産」の認定を受けたものが散見され、なんだろうと興味をもったのがきっかけです。世界遺産の日本版かなということで詳細を調べてみました。

日本遺産(Japan Heritage)とは
日本遺産とは、文化庁が認定するもので、地域の歴史的な魅力や特色を通じて、日本の文化や伝統を語る「ストーリー」です。単に個々の文化財を指定するのではなく、地域に点在する有形・無形の文化財群を一体的に捉え、それらが織りなす物語を認定することで、地域活性化を図ることを目的としています。
日本遺産の目的
- 地域の活性化: 各地域の魅力あふれる文化財群を、地域が主体となって整備・活用し、国内外に発信することで、観光振興や地域経済の活性化を目指します。
- 文化財の保護と活用: 地域の文化財を「面」として捉え、ストーリーによってパッケージ化することで、保存と活用を両立させます。
- 日本の文化・伝統の継承: 各地域の歴史や文化に根ざしたストーリーを発掘し、次世代に継承していくことを目指します。
日本遺産の特徴
- ストーリー性: 個々の文化財だけでなく、それらが構成する物語を重視します。
- 地域の主体性: 地域の自治体や関係団体が中心となってストーリーを策定し、活用を推進します。
- 有形・無形の文化財の組み合わせ: 建造物や美術工芸品などの有形文化財だけでなく、祭りや伝統芸能、食文化などの無形文化財もストーリーに組み込みます。
- 「面」としての活用: 地域に点在する文化財群を「点」ではなく「面」として捉え、地域全体を活性化することを目指します。
- 世界遺産: 世界的な普遍的価値を持つ文化遺産や自然遺産をユネスコが登録するもの。保護を主目的としており、登録には厳しい基準があります。
- 文化財指定(国宝、重要文化財など): 国が文化財保護法に基づいて、有形・無形の文化財を指定するもの。保護を主目的としています。
- 日本遺産: 地域のストーリーを文化庁が認定し、地域活性化を目的とするもの。保護だけでなく活用も重視します。
認定件数
2024年現在、100件以上のストーリーが日本遺産として認定されています。
例:日本遺産のストーリー
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数多くの魅力的なストーリーの中から、いくつか例を挙げさせていただきます。
- 「近世日本の教育遺産群 - 学ぶ心・礼節の本源 -」(茨城県水戸市、栃木県足利市など): 弘道館や足利学校といった、近世日本の教育を支えた施設群の物語です。日本の教育の原点に触れることができます。
- 「かかあ天下 - ぐんまの絹物語 -」(群馬県桐生市など): 近代日本の発展に貢献した群馬県の絹産業の歴史と文化を伝えるストーリーです。産業遺産に関心のある方におすすめです。
- 「琵琶湖とその水辺景観 - 祈りと暮らしの水遺産 -」(滋賀県大津市など): 日本最大の湖である琵琶湖と、人々の暮らし、信仰が織りなす歴史と文化の物語です。自然と文化の調和を感じることができます。
- 「四国遍路」 - 回遊型巡礼路と独自の巡礼文化 -(四国全域): 四国八十八ヶ所霊場を中心とした巡礼文化のストーリーです。日本の精神文化に触れることができます。
- 「「いざ、鎌倉」 - 歴史と文化が描くモザイク画のまちへ -」(神奈川県鎌倉市): 武士の都として栄えた鎌倉の歴史的建造物や文化財群が織りなす物語です。歴史好きにはたまらないでしょう。
日本遺産ポータルサイト
文化庁の日本遺産ポータルサイトでは、認定された各ストーリーの詳細や関連情報を見ることができます。
- 日本遺産ポータルサイト:
ストーリーとして登録されているため、1か所ここ!っていうわけではないようですが、その内容にそった、有形、無形を合わせて登録されているようです。
一覧でここいけば踏破!というわけではなさそうですが、そのテーマ、地域の特色の保全、特徴を知る一つの道標になるかもしれません。
自分の踏破用のメモの編集は鋭意整理中ですが、訪問しようとしているエリアでテーマがないかを見ているのも一つの手法かもしれません。但し、複数県に跨るものも数多くあるので注意が必要です。
所詮、県は行政上の区分に過ぎず、過去の歴史から紐解くと、県をまたいた交流、文化が広がったいるので、そのテーマを知るには各地域に根差したものを直接みていく必要がありそうです。
「お遍路」なんかこれでで一つの文化ですが、これは四国八十八ヶ所を網羅しないといけなさそうですね。